肥満外来
肥満外来

「肥満症」の治療目標とは、体重を減らすことではなく、体重を減らすことによって様々な健康上の問題点を改善することです。
そして、基本は あくまでも、健康的な食事と 十分な運動です。それだけでは減量が難しい方に、有効な薬剤を用いることがあります。
肥満症に対して有効な薬剤の成分は 元々糖尿病治療薬として開発された経緯があり、糖尿病の方には以前から用いられておりますが、糖尿病のない「肥満症」に対して保険診療を行うためには 厳格なルールがあります。
肥満症保険診療の条件:
2つ以上の肥満に関連する健康障害*1を有していること。
日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会の教育認定施設において、食事療法などの肥満症治療を6カ月以上実施しても、十分な効果が得られない場合。(当院の連携医療機関(病院)は すべて教育認定施設です)。
しかし、お住いの地域がご遠方であったり、仕事や家庭でお忙しい方、しかも肥満症による何らかの障害が発生している方にとっては 少しでも早く体重を減らす必要があります。このため、当院では自費診療となりますが、薬物療法をご提供することとなりました。自費診療ではありますが、あくまでも医療上の適正に基づく処方ですので、体重を減らすことだけを目的とする方への診察・処方には対応しておりません。
適切な使用方法を守り、将来的な健康上の利益を目標として使用を希望する方で、下記の条件を満たす場合のみとさせていただきます。
上記3項目を満たしている方に限っております。
診察・処方をご希望の方は 必ず初回には「内科」または「糖尿病内科」を受診してください。診察(問診、身体測定、血液検査など)を受けていただきます。(初回診察終了時に処方は行いません。)このとき、ほかの医療機関を受診された結果をお持ちの場合はご提示ください。内容により、一部検査を省略することが可能となります(初回診察終了時からの処方開始となる場合もございます)。
保険診療をご希望の場合は 当院から責任をもって連携医療機関へのご紹介をさせていただきますので、どうぞご相談ください。
肥満症の治療には 外科手術*²もあり、当院の連携医療機関でも実施されていますので、適応のある方にはご案内申し上げ、ご希望のある方については ご希望の医療機関にご紹介させていただきます。
*1 肥満症に関連する健康障害
*2 外科手術
食べられる食事の量を減らす手術(restrictive procedure)、栄養の吸収を阻害する手術(malabsorbtive procedure) が行われていますが、現在提携医療機関で主として行われているものは 食べられる食事の量を減らす手術です。
内科での治療を6カ月以上継続しても効果が不十分であり、手術が安全に行えると外科が判断した場合に行われます。目安としては、BMI 35~40です(下記のイラストで右側のピンク、赤の方)。

「チルゼパチド(Tirzepatide)」 とは 商品名「マンジャロ®」「ゼップバウンド®」の 製剤名(一般名)です。糖尿病の治療薬として生産・出荷される薬剤との混同を避けるため、「マンジャロ®」と「ゼップバウンド®」はパッケージデザインも異なります。
最も大きな違いは 適応症です。
「マンジャロ®」はあくまでも2型糖尿病の治療薬であり、「ゼップバウンド®」は肥満症および中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療薬ですので、肥満症の方がマンジャロ®を使用した場合、適応外使用のため、医薬品副作用救済被害制度の対象外となります。 また、 重大な副作用(特に急性膵炎)の発生時には 入院も含めた治療が必要となることがありますが、こちらについても、自費診療の結果生じた障害については 保険が使えず、自己負担での治療となる可能性があります。(本薬剤によるものとは限りませんので、すべての副作用の治療が自己負担での治療となるのではありませんが、自己負担となる恐れがあります。) 「ゼップバウンド®」は高額な薬剤であり、当院で使用される場合には自費での処方となりますので、かなり高額となりますが、少なくとも、医薬品副作用救済被害制度の対象となることが可能であるという点で、当院としては「ゼップバウンド®」を使用されることをお勧めします。
処方医としての責任を果たすため、定期的に受診し、必要に応じて身体計測や血液検査を受けていただくこと、体調に違和感・異常を自覚された場合は速やかに当院までご連絡の上 受診していただけること、これらの条件にご同意いただける方に限り、処方を実施いたします。
食事の時間になると、あるいは食べ物を見ると、身体はその食事や食べ物を受け入れる準備を始めます。口の中に唾液が分泌されるのも、その一環です。そして実際に食物は 口の中から食道を通り 胃へ、腸へ、と運ばれていきます。その通過が信号となり小腸から「インクレチン」というホルモンが分泌されることがわかりました。1960年代のことです。
「インクレチン」の仕事は 膵臓に信号を送り、インスリンを分泌させることです。血糖値が上がると信号が強くなり、インスリン分泌を調節する働きがあるため、「インクレチン」を増やせば2型糖尿病の方の治療薬になるのではないか、と期待されました。しかし、分泌されてごく短時間(2~3分)の内に分解され、効果が落ちてしまうため、薬剤に応用することは極めて困難でした。
その後の研究により インクレチンは1種類のホルモンではないことが明らかとなりました。1980年代後半にはインクレチンの1種である「GLP-1」が発見され、さらに 研究が続けられた結果、アメリカドクトカゲの毒液に、ヒトのGLP-1そっくりな構造があり、これを応用し、体内で分解されにくくすることに成功、2005年に 「バイエッタ®」(製剤名:エキセナチド(Exenatide))という名前で世界に初めて登場しました。GLP-1そのものではないため、「GLP-1受容体作動薬」といいます。
臨床試験の頃から 体重減少効果が認められ、類似薬である「ビクトーザ®」(製剤名:リラグルチド(Liraglutide))でも同様に 血糖値の降下作用以外に体重減少効果が確認されました。どちらも 日本での発売開始は2010年です。
日本やほかのアジア圏とは異なり、アメリカや欧州の各国では肥満による健康障害は極めて深刻ですので、糖尿病の治療と併せて肥満症にも役立つ、ということで、世界中で大変多く使用されました。その後も当初の1日2回注射から1日1回、週に1回、と注射回数を減らせるような研究開発が行われ、今日に至ります。
研究は今も続けられており、さらに強い作用を期待される薬剤が近い将来登場すると期待されています。(「マンジャロ®」/「ゼップバウンド®」の製造発売元である、イーライ・リリー社が臨床試験を行っています。)
| 薬剤名 | 料金(税込)
1本 |
料金(税込)
参考:4本(4週間分) |
|---|---|---|
| マンジャロ皮下注2.5mgアテオス | 3,500円 | 14,000円 |
| マンジャロ皮下注5mgアテオス | 5,600円 | 22,400円 |
| マンジャロ皮下注7.5mgアテオス | 7,700円 | 30,800円 |
| マンジャロ皮下注10mgアテオス | 9,900円 | 39,600円 |
| マンジャロ皮下注12.5mgアテオス | 12,000円 | 48,000円 |
| マンジャロ皮下注15mgアテオス | 14,000円 | 56,000円 |
| 薬剤名 | 料金(税込)
1本 |
参考:マンジャロ®との差額(1本あたり) |
|---|---|---|
| ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス | 4,500円 | 1,000円 |
| ゼップバウンド皮下注5mgアテオス | 7,200円 | 1,600円 |
| ゼップバウンド皮下注7.5mgアテオス | 9,400円 | 1,700円 |
| ゼップバウンド皮下注10mgアテオス | 10,500円 | 600円 |
| ゼップバウンド皮下注12.5mgアテオス | 11,800円 | -200円 |
| ゼップバウンド皮下注15mgアテオス | 12,800円 | -1,200円 |
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