ズベレフ選手 優勝おめでとうございます|淀屋橋駅・本町駅の内科・糖尿病内科|医療法人かんべ診療所 淀屋橋マイクリニック

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ズベレフ選手 優勝おめでとうございます

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2026年9月15日

ズベレフ選手 優勝おめでとうございます

こんにちは、淀屋橋・本町の内科・糖尿病内科 医療法人かんべ診療所 淀屋橋マイクリニックです。

まず、朗報です。

ズベレフ選手が 「全仏オープン」に続き「全米オープン」男子シングルスで優勝

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)男子シングルス決勝が現地9月13日に行われ、第1シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク2位)が第8シードのベン・シェルトン(アメリカ/同9位)を6-3, 7-6(2), 5-7, 6-2で破った。29歳のズベレフは大会初優勝を飾り、今年6月の「全仏オープン」に続くグランドスラム通算2度目のタイトルを手にした。https://tennisclassic.jp/article/detail/7707

「ズベレフ選手」との出会い

私は テニスは全く出来ないのですが(運動のセンスが無いという問題です)、観戦は大好きです。

私の世代の憧れの選手といえば、ドイツ出身のシュティフィ・グラフ選手でした。グラフ選手の活躍していた時代に、男子では ボリス・ベッカー選手がいましたが、ズベレフ選手も、ドイツの選手で、ドイツ人選手の全米オープン優勝は 1989年のベッカー選手以来とのことです。

テニス観戦が好きだからというだけではなく、以前から この選手には注目していました、

それは 彼自身が 1型糖尿病と生きる人だからです。

2020年東京オリンピック テニス競技の男子金メダリストでもある 彼は、幼少期に糖尿病と診断されました。

2022年、彼は自身が糖尿病患者であることを公表し、まもなく、「この病気のせいで子どもたちが自分で限界をつくり出すのをやめる手助けをしたい」、と「アレクサンダー・ズベレフ財団(Alexander Zverev Foundation)」を設立しました。彼自身も 若い頃には病気であることを人に知られないようにしてきたばかりではなく、試合中にも定期的に値を測定してペン型注入器でインスリンを投与していたといいます・・・

そうです、彼の糖尿病は 「1型糖尿病」。

阪神ファン、野球ファンならおなじみの、岩田稔さんと同じく、生きるためにインスリン注射が欠かせない状況にある方だったのです。このニュースが 私に彼のことを「ドイツの有望な選手」から「諦めることなく 邁進するドイツ生まれのスポーツ選手」として強く認識させたのでした。

そんな彼が、2023年の全仏オープン4回戦の試合中、コート上でインスリン注射を行おうとしたところ、大会関係者から「奇妙に見える」「コート外でやるべき」と止められるトラブルがありました。彼自身は「生命に関わることだ」と抗議しましたが、私たち医療者としても 全く同意見でした。

観戦は好きだと言いながら、矛盾するようですが、大学を卒業してから、読書以外の趣味とはすっかり遠ざかり、スポーツ観戦もほとんどしていませんでした。弟が阪神ファンであったり、母校の恩師とのつながりで 岩田投手のことは注目していましたが、野球もほとんどはニュース番組のスポーツコーナーで知るか、新聞のスポーツ面で読む程度、という状況で、テニスについては大きなトーナメントの準決勝くらいを見るのがやっとでしたので、それまでの私は、ズベレフ選手のことは、将来有望なドイツの選手、というくらいしか認識していなかったのです。しかし、ようやく、糖尿病の方だと知り、これからの試合を拝見したいと思って間もなく・・・2023年全仏オープンでのトラブルが起こったのでした。

インスリンが、まるで禁止薬物のように扱われている事実を知り、私は 本当に大きなショックを受けました。

「奇妙に見える」

糖尿病の若い人と一緒に過ごす、サマーキャンプに参加したことがあります。

3回参加しており、1回目は 大学5年生の時。小児科の講義でサマーキャンプがあるということを紹介されたので、その日の帰りにすぐに小児科学の教室にお邪魔して、参加を申し込みました。2回目は前回参加したので、ということでお知らせをいただいて、6年生の時。そして、研修医になってから、1泊だけしか出来ませんでしたが、参加させていただきました。

そこで出会った皆さんから教わったことは、皆さんが毎日の生活の中から導いた、本当に貴重な知識と経験でした。付き添っていらっしゃる ご家族の皆さまにも、本当に色んな思いや出来事を聞かせていただきました。

中には、学校生活で、インスリン注射を続けることがどれほど難しいか、というお悩みもありました。

どうしても、医師、医療者の視点として、「必要なことは躊躇せず実施する」という前提で物事をとらえがちになってしまうのですが、体育の授業前に 補食をして低血糖を予防すると、「あの子は おやつを食べさせてもらえる」、「何か食べたいからわざと低血糖を起こしている」とインスリン注射を隠されたり、といった被害も経験していることを知りました。

1型糖尿病の人にとって、そして発症時には2型糖尿病であったとしてもインスリン依存状態である方や、何らかの障害でインスリン依存状態になっている方にとって、インスリン注射を自由に実施できないことは 大げさではなく、文字通り、命に関わることです。わからないなら、理解は難しくても、せめて、何もせず、傍観してほしい、そう願います。

しかし、規則通りに「本人が注射を扱うことは認められない」、あるいは 心情的に「奇妙に見える」という理由で、実施を妨げられる・・・そんなことが起こっている、初めて知った時には、本当に、どれほど驚いたことでしょうか。

それが、時を経て、スポーツ選手が、その1球にかける現場で繰り返されていたのです。

「奇妙に見える」、「私」や「あなた」が認識している「普通の光景」と異なることが目の前で行われたとき、直ちに中止を求めるような状況も、安全管理の上では もちろんあるのだろうと思いますし 大事なことです。 そうした状況では、例外を認めることが事故につながりますので、例外を認めてはなりません。

しかし、医薬品、インスリンや アナフィラキシー・ショックの際の「エピペン®」などの場合はどうでしょうか。

注射を必要とする事態が 多少は通常通りではないだけで、医薬品を投与することこそが自然な状況です。

インスリン注射にまつわる認識不足や誤解は、まだまだ 解消されていないのだと思い知らされました。

スポーツ選手や ファッションモデル、俳優、医師や看護師はもちろんのこと、様々な職業を選択し、活躍する1型糖尿病の方がいらっしゃいます。インスリンを必要としないタイプの方も含めますと、糖尿病の方は本当にたくさんいらっしゃいますので、どなたにとっても身近で、なくてはならない存在であられることも多いと思います。この文章をお読みになっておられる方もまた、ご自身が糖尿病であるかもしれませんし、そうでなくともお身内に、あるいは職場や組織に、きっと何人か、いらっしゃると思います。「糖尿病」があるからといって、何も特別に制限する必要はありません、適切な時間に食事やインスリンを含めたお薬が使える状況にさえあれば。

何にだってなれます、どこでだって活躍できます。

僕たちがどれだけ努力し、どれほどの苦しみや痛みを乗り越えてきたのか神様が見ていてくれた

ズベレフ選手の言葉を引用します;

「4歳の息子が糖尿病と診断され、人生やスポーツが制限されるだろうと医師に告げられたときに『息子はなりたいものになれる』と言いきるのは本当に強い母親にしかできないことだ」とズベレフは一番の支えになってくれた母に感謝の意を述べた。

「だからこそ僕たちがこの病気を乗り越え、今こうして素晴らしい瞬間を迎えることができることが本当にうれしいんだ」

https://tennismagazine.jp/article/detail/35466

彼のご家族、そして周囲のチーム全員の協力が 本当に大きな仕事を続けておられることを、心から賞賛します。

そして、『なりたいものになれる』と言い切ったお母さまのその時の思いの強さを、深く感じ入ります。

様々な病気を知った時のご家族の数だけ、様々な形で現れるものだとも思っています。

糖尿病に限らず、完治といえる状態が難しい病気はたくさん存在しますが、医療者の務めとして、少しでも 新しく、確かな知識を更新し、『なりたいものになれる』ことを優先していただける環境を作るお手伝いをさせていただこうと、思いを新たにしました。

当院HPの自己紹介にも記載しました通り、「一病息災」と感じていただけるよう、努めてまいります。

スポーツの秋、芸術の秋、と、秋は気候が少し過ごしやすくなり、様々な活動に忙しく過ごす時期です。

また、自然の世界からも、これまでの成果を収穫する季節です。

新しい季節に待つ楽しみを思い、どうぞ 毎日を お健やかにお過ごしください。

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